とりかえっこしようよ
信号が赤の間、そっと頭を撫でられた。
優しくてあったかい手。
ハリーはこんな気持ちで、いっくんになでなでしてもらってたのかな?
ちょっと、安心した。
不慣れな私のために、きっとものすごく優しく気遣ってくれているんだよね?
やっぱり、この人をずっと好きでいて良かった。
なるべく、同僚が行かないようなお店を選んだ。
ちょっと市街地から離れたところにある、パスタのお店。
いっくんは話題が豊富で、私はほとんど聞き役だったけど、とっても楽しい。
私も、去年から放送大学で勉強していることを話した。
「すごいね! そうそう、放送大学を卒業すると、ごく普通の大学を卒業するより価値があるって考える企業もあるみたいだよ。
それだけ、難しいんだろうけど、ひかりちゃんなら大丈夫!」
「うん。でもやっぱり、レポートとか難しいよ。今度の夏に3回目のテストとスクーリングがあるけど、結構単位を落とす人も多いんだって」
「俺で良ければ、教えるよ」
そっか! いっくんならきっと頼りになる。
「嬉しい!是非お願いします!」
今度からいっくんと一緒に勉強できる。
一緒に勉強するのも、15年ぶりだね。