とりかえっこしようよ

 明日も仕事だから、もう帰らなくちゃ。


 とても名残惜しいけど、明日また会えると思ったらつい顔がほころんでしまう。


 だけど明日は、歓迎会もあるんだっけ……。


 どうしてもお酒の席が苦手な私は、飲み会をなるべく避けている。


 でも、歓迎会・忘年会・送別会は絶対に避けられない。



 車に乗り込んでから、そんなことを考えていたら。


「どうかした?」


 あ、ずっと黙ったままだった。


「ううん、何だか名残惜しいなって。

このまま、一緒にいる時間がもっと長ければいいのにな〜なんて思ったの」


「ひかりちゃん、あのさ。
念のため確認。

今の言葉は俺を誘ってる訳ではないんだよね?」


「え?」


 あれ?何か私、変なこと言ったの?


 ぽかんとしている私の顔を横目で見て、苦笑いしてるいっくん。



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