とりかえっこしようよ
不安〜同僚編・side樹〜
家に着くころ、ひかりちゃんにメールした。
いきなりあんなことを言ってしまったけど、警戒されてはいないだろうか?
着信音が響いた。
「私も楽しかったよ。
また会えて本当に嬉しかった。
おやすみなさい」
良かった。
怒らせてはいないみたいだ。
ひかりちゃんは何もかも初めてだから、慎重に、ゆっくり、傷つけないようにしなくちゃ。
今日も研修。
お昼休みになった。
橋本と食堂でカレーを食べた。
「忙しいよな〜。
週末が待ち遠しいよ、全く」
「お前はまだいいだろ。俺なんて家の片付けもまだ残ってる」
「そんなの、彼女に手伝ってもらえばいいだろ?」
そっか、その手があったな!
ひかりちゃんに警戒心を起こさせず、家に招く方法!
「橋本、お前っていいやつだな」
「……?」
「いや、こっちの話」
「森川は週末、片付けで終わるのか?」
「多分な。早く終わればデートしたいところだけど」
「お、いいねぇ。今度是非紹介しろよ」
全く、いいやつだけどしつこいなぁ。