とりかえっこしようよ
信号が赤の間、そっとひかりちゃんの髪に触れて、撫でてみた。
なんとなく、落ち着いた。
ひかりちゃんが案内してくれたのは、ちょっと市街地から離れたところにある、パスタの店だった。
ひかりちゃんは聞き上手だ。
気付けば俺ばかり話していたような気がするけど、彼女が楽しそうだからいいか。
ひかりちゃんは、去年から放送大学で勉強していると言っていた。
「すごいね! そうそう、放送大学を卒業すると、ごく普通の大学を卒業するより価値があるって考える企業もあるみたいだよ。
それだけ、難しいんだろうけど、ひかりちゃんなら大丈夫!」
「うん。でもやっぱり、レポートとか難しいよ。今度の夏に3回目のテストとスクーリングがあるけど、結構単位を落とす人も多いんだって」
それはチャンスだ。
「俺で良ければ、教えるよ」
「嬉しい!是非お願いします!」
早くその日がくることを待ち望む俺だった。