とりかえっこしようよ
そろそろ時間だ。
とても名残惜しいけど、明日また会えると思ったらつい顔がほころんでしまう。
車に乗り込んでから、ひかりちゃんがほとんど話さないのに気付いた。
「どうかした?」
「ううん、何だか名残惜しいなって。
このまま、一緒にいる時間がもっと長ければいいのにな〜なんて思ったの」
……わかってるのか、ひかりちゃん?
多分、他意はないんだろうな、君の事だからさ。
それでもつい、期待してしまう俺がいたりする。
「ひかりちゃん、あのさ。
念のため確認。
今の言葉は俺を誘ってる訳ではないんだよね?」
「え?」
ぽかんとしているひかりちゃん。
やっぱりなあ。
もう、笑うしかなかった……。