とりかえっこしようよ

「何か別のこと考えてただろ?

俺以上に気になることって何?」



「私ね、お酒の席が苦手なの。

お酒も弱いし、男の人と飲むといつも絡まれちゃって。

でも、上手く逃げられなくて女の先輩に誤解されちゃうの」


……そういうことか。


そういえば、女の先輩とうまくいかなかったって言ってたもんな。


絡まれないように上手く逃げたくても、ひかりちゃんみたいなおとなしいタイプはそれができないんだろう。



今まで、苦労したんだね。


うつむくひかりちゃんの頭を、またそっと撫でた。


「俺がそばにいるよ。付き合っていることはバレない程度にさ」


「あ……ありがとう」


付き合っている、という言葉に反応したのか、またひかりちゃんが赤くなった。


なんて可愛いんだろう。


ついつい、飲み会でひかりちゃんを独占している自分を思い浮かべてしまった。


……新任なんだから、それは無理だろう。


慌てて運転に集中した。







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