とりかえっこしようよ
「それから、市役所へ来たけど、受付で玉砕した話はしたよね?
でも、君がここにいることはわかったし、諦めたくなかった。
だから、大学2年の秋からはコンパに一切参加してないよ。
『彼女ができたから』って言ってね」
「本当、なの?」
「全部、君にもう一度会うためだったんだ。
我ながら頑張ったんだけど、誤解させることになったね。
だから、大学2年からひかりちゃんは俺の彼女ってことになってる」
「……私で、いいの?」
そう言った瞬間、いっくんに引き寄せられた。
すぐそばに、いっくんの眼がある。
眼鏡越しに見える、その眼が、私の眼をつかまえた。
「ひかりちゃんじゃないと、駄目だ」