とりかえっこしようよ


次第に深くなるキス。


何度も角度を変えて。


「苦しくない?」


吐息混じりに聞かれた。


少しだけ眼を開くと、至近距離にある、大好きな人の眼差し。


熱っぽい眼から、視線が外せないまま頷く。


体はもう、苦しくないの。

でも、胸が苦しいよ。

いっくんが大好きで、こんなキスをされて、嬉しいのに。


どうしてこんなに、胸がきゅうっと締め付けられるような感じになるの?



いっくんに溺れた私には、考える余裕はなかった。



ただ、いっくんを感じていた。



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