とりかえっこしようよ
「まだ片付けが終わってなくて、散らかっているけどどうぞ」
俺の家に着いた。
まさか今日呼ぶとは思わなかったけど。
「ちょっと、着替えてくる」
寝室で着替えて、リビングに戻った。
落ち着かない様子できょろきょろしていたひかりちゃんが、俺を見てまた泣き出した。
参った。
とりあえず、ちゃんと最初から話さなくちゃ。
「あのさ、橋本から俺のことを、何か聞いたんだろ?」
こくり、と頷かれた。
「ものすごく誤解を招くようなことを聞かされたと思う。
俺からちゃんと説明させて」
「……うん」
「一次会で帰って来たから、まだ8時半か……少し遅くなっても大丈夫?」
うつむいたまま、頷くひかりちゃん。
「何から話そうか……。」
冷蔵庫を開けて、ミネラルウォーターを出す。
さっきまで具合悪そうだったから、とりあえず水だろうと思って。
そのまま、ソファに腰かける。
ひかりちゃんの隣に。
これから聞かせなくてはならない話を、頭の中で整理した。