とりかえっこしようよ
「信じて欲しい。
大学に入ってからは、誰とも付き合っていない。
コンパに出まくっていたのは、君を探すためだったんだ」
ひかりちゃん、訳がわからないという顔をしている。
「君はたぶん北大に進学するだろうと思っていたんだ」
「……うん。そのつもりだったの」
「それでまず、大学の中で君を探した。
サークルも君の入りそうなサークルを選んだ。
でも、君は居なかった」
その時、どれだけ俺ががっかりしたか、君には想像もつかないと思う。
手がかりはなかったから。
「君と同じ高校出身の子を探したけど、女の子はみつからなくて。
仕方なく、他の大学の女の子で、同級生がいないか探した。
一番手っ取り早く、他の大学の女の子と知り合えるのがコンパだったんだ」
首をかしげて、僕を見ている。
コンパで探した事を、今になって後悔していた。
「大学2年の秋、やっと君と同級生だったっていう女の子と知り合ったよ。
ちょっと派手な感じの子だったけど、君のお父さんのお通夜に行ったって。
そこでやっと、君の手がかりをみつけたんだ」