とりかえっこしようよ
手をつないだまま、カーペットコーナーへ。
「どれにするの?」
さっきのことはなかったかのような顔をして、ラグを見ているいっくん。
「これか、これがいいなって思ったんだけど、選んでくれる?」
さっきのベージュとブラウンのラグを指差した。
「うーん……じゃあ、こっち!」
いっくんが選んだのは、ベージュだった。
ラグを折りたたんでもらい、ひとまず買い物したものを車に積むことにした。
こうやってお買い物しているだけなのに、とっても楽しい。
さっきの気まずいシーンを忘れそうだった。
車に荷物を積み込んでいたら、いっくんが
「このまま、違うところで買い物しようか?」
と提案してくれた。
「そのほうがいいと思う」
また会ったりしたら、ますます気まずいもん。
車は、来た道を引き返していた。