とりかえっこしようよ
 真面目なひかりちゃん、もしかしたら


「先生に怒られるから嫌だ」なんて言うかも。


 ドキドキしながら聞いてみた。




 皿に半分程残った僕の酢の物を見て、ひかりちゃんは答えた。



「いいよ」



 やった!これでこの酢の物とおさらばできる!


 さすがにゴミ箱へ捨てたら先生にばれたとき困るし。


 僕にはひかりちゃんが天使に見えた。



 ……いや、この時からひかりちゃんはぼくの天使だったんだ。


「僕、キュウリの酢の物が嫌いなんだ。ひかりちゃんが食べてくれなかったら、5時間目も給食の時間になるところだったよ」


「私もちょっとしか食べられないの。いっくん、食べてくれてありがとう」


「僕も助かったよ!これは二人だけのヒミツだよ」


< 16 / 200 >

この作品をシェア

pagetop