とりかえっこしようよ

これは、いっくんからのプロポーズ？

本当に？




私を包む両腕の力が、ちょっと弱くなった。



「返事を、聞かせて欲しい」



耳元で聞こえたのは、ささやくような小さな声。


だから、私も小さな声で言ってみた。




「いつか私を、いっくんの『お嫁さん』にしてください」




そのとたん、苦しいほどぎゅっと抱きしめられた。



「……ありがとう。

これからは、辛いことを二人で乗り越えよう。

嬉しいことは分かち合おう」



涙できっと、目は腫れてるだろうし、メイクなんて全部落ちてるに決まってるけど。


私の顔を愛しそうに見つめるいっくんの顔が、すぐそこにあった。


覚悟を決めて、全部彼にまかせようと思った。