とりかえっこしようよ
「結婚と、それに多分妊娠おめでとう、かな?」
「……はい……ありがとうございます」
何を言われるのかどきどきしていたけれど、彼女からは意外にも、お祝いの言葉をいただいた。
「私、ずっと休職中でしょ?
でも、お給料はまだ8割も出てるし、今が一番気楽かも。
だから、そんな顔しないで」
今までの須藤さんのとげとげしい雰囲気が、すっかりなくなったのを感じた。
「私ね、あなた達に見られた時、実は勝負に出てたの。
不倫がばれたら、課長はどっちを選ぶのかって。
だって、あの頃もう付き合って5年経ってたから」