とりかえっこしようよ
ひかりちゃんの入院中、職場代表だと言って、須藤さんと珠世ちゃんがお見舞いに来てくれた。
稜を見て珠世ちゃんは
「まだみんなに内緒なんだけど、お腹に住人がいるのよ。
もし女の子だったら、うちのお婿さんにならない?」
などと言って、俺達を笑わせた。
須藤さんもすっかり元気になったようで、お見舞いの帰りに、ソーシャルワーカーの彼に会って行く、と浮かれていた。
産後の経過も順調なひかりちゃんは、あと少しで退院予定だ。
ひかりちゃんのお母さんと健君、それに俺の両親も稜にべったりで、ひかりちゃんは色々と大変そうだ。
「早く家に帰りたいな」
「病院だと上げ膳据え膳で楽じゃない?」
「そうだけど……
早く私といっくんと稜くんだけで暮らしたいなって」
「もうすぐだよ」
もうすぐ3人の暮らしが始まる。