とりかえっこしようよ
「ひかりちゃんはあとパンだけ?」



 いっくんだ。



 いっくんも残されて食べてたんだ。



「うん。でも、お腹いっぱいで食べられないの」



 いっくんが自分の皿を持って隣の席に来た。



「あのさ、とりかえっこしようよ。僕がそのパン食べるから、ひかりちゃんはこの酢の物食べてくれない?」


 私はいっくんの皿を見た。

 半分程の酢の物。


 これなら食べられる。


「いいよ」




 二人でこっそりとりかえっこして急いで食べた。



 誰かに見つかって、先生に告げ口されたら困る。


 ほぼ同時に食べ終わって、お皿を交換した。


「僕、キュウリの酢の物が嫌いなんだ。ひかりちゃんが食べてくれなかったら、5時間目も給食の時間になるところだったよ」


「私もちょっとしか食べられないの。いっくん、食べてくれてありがとう」


「僕も助かったよ!これは二人だけのヒミツだよ」



 指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲〜ます


 二人で指切り。


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