とりかえっこしようよ
  僕は、ますますひかりちゃんのことが大好きになった。


 僕とひかりちゃんの文通は、それから先もずっと続いた。


 二人とも、2週間以内に手紙を出すようなペースだった。


 僕は新しい学校のことや、住んでいる街のことなんかを書いて、ひかりちゃんはクラスのこと、そしてもちろんハリーの様子を知らせてくれた。


 たまに写真が同封されていると、それを大事に飾った。


 ハリーと一緒のひかりちゃん。


 早く本物のひかりちゃんに会いたいって、いつも思っていたんだ。



 
 クラスの集合写真を送ってくれたこともあった。


 クラス替えしていても、知っている仲間が何人か写っていた。


 僕がよく一緒に遊んだカズヤは、今もひかりちゃんと同じクラスだったんだ。


 カズヤとは一番仲が良かったから、今もたまに電話で話す。


 母親同士がスポーツクラブで友達になったとかで、よく長電話してる。


 
 実はカズヤもひかりちゃんのことを好きなんだと思う。


 ひかりちゃんからもらった消しゴムのことで取っ組み合いの喧嘩をしたことがあったけど、カズヤと喧嘩したのは後にも先にもその一度きりだった。


 きっと、カズヤも薄々気づいていたんだと思う。


 僕の気持ちに。



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