とりかえっこしようよ
 あと3年ちょっと待っていて欲しかった。


 一緒の大学へ進学することもできる。


 でも、和也の話を聞く限り、その3年間は待ったなしの状態なんだろう。



 


 ひかりちゃんの幸せを考えたら、僕は身を引くべきだ。


 考えて考えて、最後に出た結論がこれだった。


 ひかりちゃんが、僕の気持ちに気づく前に。


 それを知ってしまったら、ひかりちゃんを傷つけることになる。


 ひかりちゃんは優しいから、きっと和也と僕の間で悩むだろう。


 受験生がこの時期に、こんなことで悩んでいたらダメだ。



 
 和也はいい奴だよ、ひかりちゃん。


 もし、ハリーを見つけたのが僕じゃなく和也だったら、きっと今頃幸せなカップルになっていたんじゃないかな?


 僕は机の上の写真を眺めた。


 小学2年生のひかりちゃんが笑ってる。


 あの頃のまま、ずっと時が止まってしまえば良かったのに。


 中3のひかりちゃんは、魅力的すぎるんだ。

 


 僕は意を決して、ひかりちゃんへ最後の手紙を書いた。


 今までありがとう。


 幸せになってね、ひかりちゃん。
< 45 / 200 >

この作品をシェア

pagetop