とりかえっこしようよ
「あのね、珠世ちゃん」



 思いきって切り出す。



「うちの部に配属された森川さん、わかる?」



 珠世ちゃんは目をキラキラさせて頷いた。



「わかるわかる!一番格好いいよね〜」


「彼と私、同級生だったんだ」


「へぇ〜。仲良かったの?」


「うん。うちのハリーを最初に拾ったのが彼なの」



 今までのことを、打ち明けた。



 ハリーを連れて、毎朝一緒に散歩していたこと。


 8年、文通を続けたこと。


 カズくんとのこと。


 最後の手紙のこと。



 お昼休みが終わるまで、珠世ちゃんは黙って聞いてくれた。


< 77 / 200 >

この作品をシェア

pagetop