とりかえっこしようよ
告白~再会編2・side光〜
「きゃうん!くうぅん!」
ハリーが力強くリードを引っ張って、私をいっくんの方に引き寄せる。
尻尾はブンブンと振られ、跳ねるように前進している。
「あっ!ハリー!?」
いっくんのジーンズに飛びかかり、彼の周りをぐるぐる。
「ハリー、俺のこと覚えててくれたのか?」
しゃがみこみ、ハリーの頭をわしわしと嬉しそうに撫でるいっくん。
「きゃん!」
ハリーが「もちろん!」とでも言うように、返事をした。
いっくんのほっぺたをぺろぺろ舐めて、それから私の方に向き直ったハリー。
私もしゃがむと、ほっぺたの涙を舐めてくれた。
すぐ側に、ハリーを撫でているいっくんの端正な横顔。
やっぱり、私は、いっくんが好き。
逢ったら沢山話したいことがあるはず。
なのに、今は胸がいっぱいで言葉が出ない。
いっくんが、私を見つめた。
至近距離。
見つめあう。
やっぱり、好き。
また、涙が溢れた。
「泣かないで、ひかりちゃん」
あの頃と同じ、泣き虫な私と優しいいっくん、無邪気なハリー。
15年分の
好きを
自覚した。