とりかえっこしようよ
告白~再会編2・side樹〜
「きゃうん!くうぅん!」
ひかりちゃんを引っ張るように、ハリーが駆けてきた。
「あっ!ハリー!?」
ひかりちゃんが止める間もなく、俺のジーンズにじゃれてきた。
「ハリー、俺のこと覚えててくれたのか?」
あれから15年経つのに、判るのか?
「きゃん!」
ハリーが「当たり前だろ!」とでも言うように、返事をしたように聞こえた。
そんなに舐めたらくすぐったいぞ、お返しに撫でてやるからな。
ひかりちゃんも横にしゃがんだ。
ほっぺの涙を舐めるハリーを見ていたら、今まで何度ハリーはひかりちゃんの涙を見たんだろうか、と切なくなった。
辛い時、そばにいられなくてごめん。
ひかりちゃんが、俺を見つめた。
手を伸ばせば届く距離。
見つめあう。
迎えに来たよ。
ひかりちゃんの目からまた、涙が溢れた。
「泣かないで、ひかりちゃん」
これからは、ずっと一緒にいられるんだから。
15年分の
思いを
こめて。