命の箱
「住所は?」



首を振る真奈。



「君の旦那の名は?」


「わからない…」


「子供の名は?」


「あれ…わからない」


「君の名は?」



矢継ぎ早に繰り出される質問に
耐えられなくなった真奈は


叫び声をあげた。




「わからない…うるさい…

うるさいわよ!」

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