命の箱
男の言葉に真奈は何度もうなづく。



真奈は窓の外に広がる青空を
眺める。



疎ましいと思っていたその青空も
今は美しいと真奈は素直に思えた。



「戻れるかな…」



真奈は青空を見ながら
ぽつりとつぶやく。



「桜の下を3人で歩いた
あのころに戻れるかな?」



「戻れるさ」



男は穏やかな顔でうなずく。



「きっと戻れる」

< 151 / 162 >

この作品をシェア

pagetop