命の箱
「私は警察の人に家に来られることなんて
何もしていません!」

血相を変えて叫ぶ真奈。


「子供も元気だし。
さっきも笑いかけてくれたんですよ!

旦那も優しくていつも育児に協力してくれます!

今も優しい言葉をかけてくれたもん!

だから…」


「奥さん!」


男は真奈の言葉を制した。


「奥さん、辛いこと、嫌なことに


目をつぶって
そんなことないと自分に思い聞かせても
無駄なんです。


何をしてもなくならないんです。


むしろ
辛いことから目を背け続けると


事態はより深刻なことになってしまう。


そんなことをし続けると
あなた自身が崩壊する」
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