*・:ゆめの雫:・*
 そこには確かに私の父親がいた

 眠っているかのような安らかな顔で

 目を閉じていた

 顔なんて覚えていないと思ったけど

 父だとすぐにわかった

 記憶で覚えていなくても

 私の心はしっかり父を覚えていた

 父は昔よりも
 
 ひとまわり小さくなっていて

 これまで苦労してきたんだなと

 ひしひしと感じた

 二人しかいない沈黙の世界で

 私は父の傍らに座り

 父に問いかけた

 

 
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