鋭利な君は
なのに、6月の半ば辺りから、私は急に無視されるようになった。


最初は大したことにとらえていなかったけれど、それがイジメの前兆だったと悟ったのは、上履きが無くなったことでだった。

その日を堺にイジメはエスカレートし、物は無くなるし蹴られるし悪口言われるしで散々な毎日だった。


そしてそのイジメの切っ掛けが、「私が美穂の悪口を言ったから」だった。

以前、机の落書きを消していたとき


「美穂の悪口言うからだよねー」


という、元・友達の声が聞こえてきた。
ワザと聞こえるように発せられたであろうその声。しかし、心当たりなどなく、大体美穂とは所謂「親友」だったワケで、私は美穂が好きだったから悪口を言う理由は無かった。

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