Kiss me please!
Kiss me please!
・出逢い
「俺、他に好きな子が出来たんだよね」
久々に会った彼氏にそう告げられた。
高校を卒業してから、お互いに新しい環境に慣れるのが忙しく会う事もままならず連絡すら取っていなかったのもあって、いつかはこういう展開になるとは思っていたけど案外早く来たもんだなぁと妙に冷めた気持ちで彼の話を聞いていた。
「聞いてる?」
彼の問いかけにハッと顔を挙げる。
「あー…、うん。わかった…」
これが最期の言葉とは思えないぐらいアッサリとした返事に、彼はあからさまに安堵したような表情を浮かべている。
きっとゴネられたらどうしようと思っていたのだろう。
そういう彼の態度を見てますます冷めてゆく。
こうなれば特に話す事もない。
「さよなら」
望は飲み物代をテーブルに出すとさっさと席を立った。
新しい女に気を取られている彼は望の事を気遣う様子もない。
望もすごく悲しいという訳でもなく、こんなもんかなとの思いの方が強かった。
忙しくてついつい彼との連絡を放置していた望にも非はあっただろうが、その間彼の方はせっせと新しいカノジョ作りに励んでいた訳だ。
久々に会った彼氏にそう告げられた。
高校を卒業してから、お互いに新しい環境に慣れるのが忙しく会う事もままならず連絡すら取っていなかったのもあって、いつかはこういう展開になるとは思っていたけど案外早く来たもんだなぁと妙に冷めた気持ちで彼の話を聞いていた。
「聞いてる?」
彼の問いかけにハッと顔を挙げる。
「あー…、うん。わかった…」
これが最期の言葉とは思えないぐらいアッサリとした返事に、彼はあからさまに安堵したような表情を浮かべている。
きっとゴネられたらどうしようと思っていたのだろう。
そういう彼の態度を見てますます冷めてゆく。
こうなれば特に話す事もない。
「さよなら」
望は飲み物代をテーブルに出すとさっさと席を立った。
新しい女に気を取られている彼は望の事を気遣う様子もない。
望もすごく悲しいという訳でもなく、こんなもんかなとの思いの方が強かった。
忙しくてついつい彼との連絡を放置していた望にも非はあっただろうが、その間彼の方はせっせと新しいカノジョ作りに励んでいた訳だ。