Kiss me please!
「望じゃね?」

突然降ってきた声の方向に顔を上げると、そこにいたのは先日望をフッた元彼だった。

しかも一人じゃなく、その腕には女の子が腕を絡めてぶら下がるようにしがみついている。

これが新しいカノジョかぁ…。

「久しぶり…」

「なーんだ。お前も彼氏いるんだ。心配して損したな」

心配なんてしてなかったくせに!

それに琉は彼氏じゃないし!

ムカっとしたけど顔には出さずにカノジョに目をやった。

「カノジョ?お似合いだよ」

元彼はデレデレした表情で、またなと手を挙げて去って行った。

望がふーっとため息をつくと、それまで黙ってランチを食べていた琉がレシートを手に立ち上がる。

「行くぞ」

望も慌ててバッグを掴んで後を追った。
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