Kiss me please!
いつもは軽口を叩く琉が無言で先々歩く。

それを望が小走りで付いて行く。

琉は道から外れた小さい公園に入って行った。

今日はここでキスするのか…。

ベンチに座った琉の横に腰かける。

「あれって元彼?」

なぜか琉の声に怒りが混ざっているように感じた望の身体がピクっと跳ねた。

「うん…」

「つまんねー男だな」

「…かもね」

まともに琉の方を向けなくて望は足下ばかり見ていた。

「じゃ、治療費もらおっかな」

さっきの声と変わっていつもの明るい声に安堵した望は頷いた。

琉の手が望の頬にかかり唇が近づく。
そっと目を瞑った望の唇に優しキスが落ちてくる。
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