Kiss me please!
肩を抱き軽く唇を食んだ琉が離れる。

これで今日の分は終わりと、気を緩めた望の肩を離さずに琉はまた口づけてきた。

一日一回のはずなのに、しかも今までその約束を破った事がなかった琉なのに。

驚いて、琉の胸を両手で押し返そうとしたが琉は空いてる手で望の両手首を掴んで抵抗を防いだ。

「んー!」

嫌々するように首を振ろうとする望の後頭部に手のひらを移し、しっかり捕まえる。

その間も琉の唇は望の唇を食み、だんだん深くなるキスに望の心臓が早鐘を打つ。

先ほどの優しいキスとは全く違う激しいキスにどちらの物ともわからない唾液が望の口端から伝った。





ようやく唇と腕を解放された望は琉を平手で打った。

「琉のバカっ!」

一目散に逃げ去った望の後ろ姿を見ながら琉は打たれて熱くなった頬に触れた。

「いてぇ…」
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