叶わぬ恋〜先生〜 [短編]
卒業
最後の授業
あっという間に卒業の季節になって、最後の授業の日が近づいてくる。
3月8日。
この日の1時間目の社会が最後の授業となった。
その前日の夜。
先生と会えなくなるのが怖くて、後悔の涙が溢れてぐっすり眠ることが出来なかった。
自分では、授業中少し涙が出ると思ってた。でも、出なかった。
それに、先生も全然言葉を発さなかった。
最後の言葉は…いつもの言葉。
「区切りのいい所で各自終わって。」
最後の号令もなし。
これで、先生の授業終わったんだ……
ってかんじで、少しの間放心状態。
でも、最後の授業もいつもの先生のままでいてくれたから、よかったのかもしれない。