「俺とキスしてみない?」
俺の声にふりむいた女のコ。

純朴そうな、女のコ。

今時、すっぴんで。

……いや、これが普通なのかな?

まだ、1年生だしな。

俺が手を差し伸べると、すがるようにその手を取った。

口をパクパクさせて、無言で何度も頷きながら。

お、おもしれぇ……。

「・・・・・・・どした?迷った?
 1年、何組?案内したげる。
 あぁ、俺はカイト。
 そー呼んでくれる?」

おもしろいおもちゃを見つけたような気持ちで、俺は、とーっても、親切に言った。

極上の、とろけるような笑顔を、オマケに付けて。


案の定、顔を真っ赤に染めて、何も言えないでいる女のコ。

涙ぐんだ瞳が、次第に熱を帯びてくる。

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