「俺とキスしてみない?」
微動だにしないりんごちゃんに、すっと顔を近づけてみる。

びっくりした時の、猫みてぇ。

反応なし。

そのまま、俺は、唇を重ねた。



「んんッッ」



苦しげに呻く、りんごちゃん。


……何だか、ほんのり甘い。


今までキスをしたのと、なんか違う。


唇を離して、目を白黒させているりんごちゃんに、いたずらっぽく笑いかけた、と。

自分の唇を指でなぞり、俺と自分の手を、何度も見比べている。

そして、突然。


「キ、キスぅぅぅッ?」
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