「俺とキスしてみない?」
とりあえず、目を覚ましてもらわないと。

寝ているりんごちゃん相手にしていても、面白くもなんともない。

「りんごちゃん!」

体を何度もゆすって、耳元で名前を呼ぶ。

「揺らさないでぇ……ねむ……い……」

むにゃむにゃと答えるりんご。

もう、「ちゃん」づけ、ヤメ!

「りんご!」

耳元で、叫ぶ。

「おい!
 起きてるんなら起きろ!」

さらに激しく揺さぶると、仕方ない、という感じで、りんごは起き上った。

コイツ、マジ寝してたな。

目が、トロンとして、焦点があってない。


何度も目をこすり、瞬きして。

「!ぁ、
 カイト君ッ」

ようやく、頭がはっきりしたか。


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