「俺とキスしてみない?」
「えと、
 ココは、、、保健室だよね?
 あたし何かしたのかな?」

あたふたと、まわりを見回しながら、軽くパニックに陥るりんご。

俺は溜め息を一つ吐いて。


「りんご倒れたの、
 あぁまじで疲れた。
 軽そうに観えて意外に重かった、
 分かる?この俺様が
 運んでやったんだぞ?
 それに看病も俺がしてやったし、
 有難く思えよ?」


フン、と鼻を鳴らして、意地悪く笑う。

俺の変貌に、ますますパニくるりんご。

おもしれぇ。

やっぱり、この反応がないと、つまんねぇな。

「報酬は、キスで」

え?と、声に出さず開くりんごの唇めがけて。

「っ」

チュッ、っと音を立てて、唇を離す。

その間、目を見開いたまんま。

今度は、真っ青な、青りんご。

そっか。

さっきの甘いのは、これか。



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