「俺とキスしてみない?」
アンヴィリーバボー!
りんごの腕を半ば強引に掴むようにして、俺達は校舎の中を進んだ。

と。

不意に、りんごの動きが止まる。

ぴた、ッと歩みを止めて、うつむき加減で、ぶつぶつ呟いてる。

引っ張っても動かないので、俺は仕方なしに声をかけた。

「ね、りんご行かないの?
 さっきから
 『ぅー、ぇー、ぁー、』
 とか言ってるけどどうした?」

ぱっと、顔を上げたりんご。

俺と目があった途端、一気に赤くなる。

「熱あるの?」
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