「俺とキスしてみない?」
「カイトぉー」

気がつけば、上からアリサ(だったよな、多分)が覗き込んでいた。

「こんなとこにいたのぉ?
 もう、入学式終わっちゃったよー」


「何で、アリサちゃん、いるの?」

正直うざったいけど、とりあえず笑顔で聞く。

「クラスごとに校内見学だって。
 カイト見つけたから、抜けてきちゃった」

中庭まで見学すんなよ。

チェッ。

「戻った方がいいんじゃない?一応深窓の令嬢で通してきたんでないの?」

「大丈夫だよー。そのまま流れ解散だっていうから。ねえ、カイト……」

うるうるっと、目をうるませて、顔を近づけてくるアリサ。






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