「俺とキスしてみない?」
マイフェイバリット
保健室の入口に、アリサが立っていた。

すでに身支度はして、髪も整えてあった。

一緒にいた養護教諭を見て、無表情を装いながら、俺に近づいてきた。

すれ違いざま、俺が抱いているりんごに目を走らせてから、プイっとそっぽを向いて、小走りに去っていく。

「……今の一瞬で、何があったか想像できたわ……」
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