「俺とキスしてみない?」
「ぇと、違う?
 ごめん気分悪くした?
 そーだよね、あたしだって、」

急に黙り込んだ俺に、恐る恐るというように、りんごが謝る。

「んーん、せーかい」

とたん、撃たれた鳩のように、きょとんとした、りんご。

まさに「鳩が豆鉄砲」って感じ。

ぷぷっ。

面白い……かわいいなあ。

「そんなに驚いた?」

「ぁ、ちょっと意外で。
 でもこ、恋煩いなんて
 誰になの?」

は?
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