イヌとカメの物語
「みーせーろー」
「いやだってば!! あぁぁ…」
カメタは背が低いので、安易にカメラを奪うことが出来た。
ピッ…ピピピッ
カメラを操作すると、先ほど撮ったと思われる写真が表示された。
「!!!!!」
表示されたのは…
僕の寝顔。
寝癖がすごくて、よだれを垂らしていて、涙を流している写真。
「…今すぐ消せる?」
笑顔で。笑顔で。
でも、それがカメタには怖かったらしく、
「ハイッ今スグ消シマスッッ」
とカタコトで青い顔しながら言った。
ふぅ…
全くひどい写真を撮られたもんだ。
寝癖によだれに……涙?
なんで涙を流していたんだろう…
もしかして、さっきの心地よい夢に関係があるのかな??
「……ん~…あれ~??」
カメラを操作していたカメタが呟く。
「え?どうしたの??」
すかさず、僕も相槌を打つ。
「う~ん、撮った写真は削除出来ないみたい……」