イヌとカメの物語
「えっ!! なんでさ!?」
こんな写真が残るなんて…
「わかんない…お父さんが細工したのかも。」
「……そう…まぁいいけど。」
僕のこの言葉に、カメタは相槌を打ってくれなかった。
そのせいか、沈黙が僕らを襲った。
「……ねぇっ、」
しばらくして沈黙を破ったのは僕だった。
「ん?何??」
「いや、あの~…」
しまった。
話題考えてなかった。
「あの~~…カメタって旅をしてるんだよね??」
「うん。そうだよ。」
「次、どこに行くつもりなの?」
「“レッサ”。小さな村なんだけど、知ってる??
ほら、前まで戦場だった。」
ドクン…
「そこでお父さん怪我をして、寝たきりなんだよね。
もうあれから2,3年経ってるから、“命”も復活してるんじゃないかと思って。
…イヌタ、聞いてる?」
ドクン ドクン
心臓が暴れてる。
「え…あ、聞いてる……よ」
ドクン ドクン ドクン