イヌとカメの物語
chapter 1
#1
気まぐれに外に出たのが始まりだった。
「いっくら歩いても痩せない……
どうしてだろ?」
あんぱん片手に歩いているイヌ族の少年
名をイヌタという。
悩みはこの頃太ってきたこと。
だから、こうして歩いているんだけど…
もしかして、食べながらじゃ意味ないのかな?
でもあんぱん美味しいし。
やめられない。とまらない。
「はぁ………ん…??」
目の前には、何か茶色い物体。
遠くてなんだかよくわかんないけど…
「……あんぱんが落ちてる…!?」
ごしごし、と目をこすってみる。
茶色い。丸い。
…間違いない。
なんてもったいないんだ!!
イヌタはその物体に向かって走った。