イヌとカメの物語
カメタは(カメだからよくわかんないけど)深々とお辞儀をした。
「いやいや……そんなにかしこまらないでよ。僕ら、もう友達だろ?」
「友……達……
うん、友達だね……っ…!!」
初めてカメタの笑顔を見た。
僕も嬉しくなった。
「…で?昨日はどこに泊まったの?」
「どっかの工場。
断熱材があって、結構快適だったんだ。
今日もそこに泊まるつもりだよ。」
平然とした顔でカメタは言った。
「えぇえっ!?それって不法侵…」
「しーっ!…でもお金もないし、仕方ないよ。じゃあ、僕はそろそろ行くね。」
窓をみると、真っ暗で、雨の音がした。
こんな夜に出てったら…
またカメタは倒れてしまう!!
「待って!!行くの……止めた方が」
「大丈夫だって!水もいっぱい貰ったし」
「今日は………
僕の家に泊まってよ!」