蝶と龍

見回りから帰ると倉庫の前に立つ人影が見える


『誰だろ?』

『龍神に入りたいのかな?』


麗達は遠いから分からないみたいだけど俺にははっきり分かる


俺はいきなり走り出した

『ちょ…奈央?』

『奈央どぉしたの?』

二人の言葉をスルーして


俺に気付いた人影はゆっくり振り向く

至るところにガーゼがはってあり痛々しい姿


俺はいてもたっても居られなくなり抱きついた


「………陽那斗」


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