蝶と龍
ショッピングモールに着いてからの由亜の行動は恐ろしかった
目的はプレゼントの筈だったのに気づけば俺の両手は由亜の買った物でいっぱい
呆れた俺に気づくことなく俺の隣で鼻歌を歌う由亜…
『あ!プレゼント忘れてた』
はぁ…そんなことだろうと思ったよ
『でも大丈夫だよ!決めてあるんだ―』
そう言うとジュエリーショップに入って行って、ガラスケースを覗き込んで店員に注文している
俺も足元に荷物を置き目の前のガラスケースを覗き込んだ
たくさん並ぶピアスの中で俺は釘付けになったピアスがあった
きっとあいつに似合う
あいつみたいなピアス
蝶の羽に小さなエメラルドがついたいたってシンプルな蝶のピアス
俺は迷わずそのピアスを買った