蝶と龍

タバコをくわえベランダに出ると門に誰か居るのが見えた


その人影はインターフォンを鳴らすか迷って結局帰ろうとしている


街灯に照らされてその姿が誰なのかはっきり分かった



俺は灰皿にタバコを押し付け急いで部屋を出てその人の元に急ぐ



「おい」

その人は俺を見て驚いた顔して固まっている



「人んちの前でうろうろすんな」


『ごめん』


俺は近寄ると抱きしめた



『彼女に悪いから離れて!!!』


陽那斗は俺を離そうとする
でも俺は離れない
彼女なんていね―し
お前に彼氏いたとしても離したくない


「彼女いね―」


『嘘』

「くだらねぇ嘘つく趣味はない」


< 150 / 202 >

この作品をシェア

pagetop