蝶と龍
タバコをくわえベランダに出ると門に誰か居るのが見えた
その人影はインターフォンを鳴らすか迷って結局帰ろうとしている
街灯に照らされてその姿が誰なのかはっきり分かった
俺は灰皿にタバコを押し付け急いで部屋を出てその人の元に急ぐ
「おい」
その人は俺を見て驚いた顔して固まっている
「人んちの前でうろうろすんな」
『ごめん』
俺は近寄ると抱きしめた
『彼女に悪いから離れて!!!』
陽那斗は俺を離そうとする
でも俺は離れない
彼女なんていね―し
お前に彼氏いたとしても離したくない
「彼女いね―」
『嘘』
「くだらねぇ嘘つく趣味はない」