time



まあ、普通じゃ無いとは思っていたけど。皆が皆自覚があったら時間戻す意味ないしね。


「あ・・・でも、私が赤ちゃんの時とかはどうしたの? 一歳しか違わない蒼衣が出来たの? 時間を戻すなんて」
「いや、祖父ちゃんもさ同じ力持ってんだ。小さい頃は祖父ちゃんがやってくれてたみたい。俺なんかより凄い強くて、未来も見える」


ふーん、と頷きかけたところではっと気付く。“言ったら現実味が増すみたいで怖い”と蒼衣が言った事実はまさかこれでは無いだろう。話したくないのかそれ以上口を開かない蒼衣を見てしょうがない、と息を吐いた。

家族ぐるみで仲が良くて生まれた時から一緒にいるような兄妹のように育ったこの17年間ずっと秘密にされていた事を今打ち明けてくれたのだ。十分ではないか。


「話してくれてありがとう」


照れたように笑う顔はモテるのも分かる気がする。身体を離し立ち上がるとちょうどチャイムが鳴った。


「このままサボろうか」





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