time
一回目は笑顔で、二回目は真顔でそう言い放った。雰囲気はがらりと変わりぴたりと音が止む。時間まで止まった気がした。彼のその使命感は何なのだろうか。幼馴染みだから?だから世話をやいてるの?
「(私にはきっと一生自分では分からない)」
ただ頷いて、最後の一口を紙パックから吸った。少し不満げにこちらを見る蒼衣はなんだかおかしくて頬が弛んだ。蒼衣は手を延ばし柔らかい髪の毛をくしゃりと撫でる。それがくすぐったくて笑うと蒼衣もつられて笑顔になった。
「千明は笑顔が一番」
「蒼衣もね」
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