time
新しい世界。
変な時期に転校生が来た。転校初日から私に構う彼を見て、彼はこういう人なんだなと私は思った。一人でいる人をほっとけるような人ではないお人好しタイプなのだと。見方によればお節介とも言う。例外になく私は彼をお節介な人と思っていた。
「なー!屋上行かねぇか?」
「一人で行けばいいでしょ」
ひそひそ聞こえるのは女子の悪口だ。もちろんこの転校生の悪口ではない。私のだ。たしか転校生の名前は荒見 武瑠(あらみ たける)で北海道からはるばるここまで来たらしい。こっちの寒さなんか感じてないかのように暖かみのある笑顔を振り撒く、いかにも女子にモテます雰囲気のある男子だ。見たまんまのスポーツマンなのか男子とも一瞬で馴染みもはや昔からいたクラスメイトのよう。つまり、彼は要領がいいのだ。
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