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「蒼衣さんだなんて、そんな他人行儀はいいよ。俺は千明の幼馴染なんだから」
「いやー幼馴染でも所詮他人、」
「二人とも、いい加減うるさい」
なかなか終わらない言い争いにピリオドを打ったのは、会話の元になっている私だった。思ったより低い声が出て自分だけではなく二人ともきょとんとしてる。まぁ、おさまったなら良しとしよう。意味の分からない言い争いに、私が巻き込まれているという事実はとても不愉快なものだったのだ。
「「千明、ごめん・・・・・おい真似、ッ」」
「・・・すんな」
「・・・しないでくれる?」
それに、この二人は意外に息が合ってると思うのは私だけだろうか。なんだか初対面でいがみ合う二人を見てると段々微笑ましく感じてきた。くすくす笑うと二人もつられたように笑い出した。それでも、二人の視線は交わることはないのだが。きっと、どっちも意地っ張りなのだろう。
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